真駒内公園とモモンガ講演会

朝から真駒内公園を歩いてきました。
こちらも円山公園同様ちょうど野鳥の端境期のようで目新しい出会いはなし。
しかしそういう時でもエゾリス君が相手をしてくれます。
今日は普段聞かれないような奇声を発していました。

どうやらカラスを警戒しているみたいです。

気の強いエゾリスならカラスに飛び掛ったりしますが、こちらは追いかけられて逃げ回っていました。

フィーフィー鳴き声が聞こえたと思ったらウソがいました。
公園内ではまだ若干見ることができるようです。

久しぶりにシマエナガの可愛い正面顔が撮れました。

シマエナガのつがいはせっせと巣材集めをしていました。
公園内で営巣するつもりみたいです。

午後からは札幌のエゾモモンガの第一人者である小原聡さんの講演会があるというので聴きに行ってきました。
以前からエゾモモンガに興味があった自分は書籍やサイトなどで生態について色々調べていましたが、講演では札幌周辺の貴重な話がたくさん聞けました。

札幌近郊のモモンガ分布を地図化したものを見せてもらいましたが意外だったのは野幌森林公園が少ないとのこと。
昔はたくさんいたらしいのですが現在はかなり少なくなっているようです。
生息場所としては分断されていない森林および樹洞ができやすい古い樹木がたくさんある場所が理想なので、国道で分断されている野幌森林公園もその影響を受けているのかも。地面に降りないエゾモモンガは滑空できる距離以上に樹間がある場合は移動できません。
また若い丈夫な木ばかりの元気な森もアカゲラも穴を開けることができないので必然的にエゾモモンガの住処が少なくなります。昔炭焼きが行われていた西岡辺りも老木が少なく数はそれほど多くないみたいです。やはり藻岩のような原生林が残る場所がエゾモモンガにとって最も住み心地がよいようです。


講演が終わった後には自分も少し前にモモンガの食痕らしきものを見つけたので実際確かめにその場所へ行ってみました。

冬時期には木の冬芽が主食となるモモンガはまず枝を噛み切ってから芽の部分だけ食べるので、地面の上には数cmほどの小枝がたくさん落ちています。
小枝の切り口は45度になるという話だったので拾って確かめてみるとその通りでした。
やはりここにモモンガがいる可能性が高そうです。

しかし肝心の巣になる樹洞はどうもはっきりせず。
小枝が落ちているすぐ近くに立つあちこち枝も折れ朽ちた大木が怪しいと睨んだのですが、黄ばんだおしっこらしき跡はあったものの糞らしきものは2、3個しか見当たりません。
小原さんの話では一度に20連射くらい俵状の糞をすると言っていたのでそれと較べても少なすぎです。

この場所以外に無いかと周りを探してみたところやや離れたところに糞が大量に落ちているのを発見。

しかも目の前の木にはアカゲラが掘った穴がぽっかり開いています。
これが本命間違いないでしょう。ここでジッと待ちます。

エゾモモンガ活動を始めるのは日没後です。
本日の日没時間は17:53。この時間になってから目を凝らして樹洞を見つめます。
日が落ちてからはどんどん暗くなり、肉眼では幹に空いた穴も見えなくなったので少し近づいたところ、ようやくエゾモモンガが顔を出してくれました。この時18:09。話どおりに規則正しい生活をしています。
ここで一応シャッターを切ってはみたもののISO12800まで感度を上げても真っ暗なので撮影は早々に諦めます。
もともと今日は撮影する気はなく自分の推測を確かめるのが目的だったのでそれが当たっただけで所期の目標は達成です。
しかしエゾモモンガは顔を出してくれたのはいいのですが、そのまま固まってしまいました。こちらの存在を気にしているのかも。

小原さん曰く同じ場所で観察を続けているとそのうち警戒心が解けるみたいですが、初対面の場合はやはり向こうも気にしてしまうとのこと。
両者とも2,3分じっと動かずにいたのですが、このままでは埒が明かないと思いこちらが後ずさりをした途端に穴からするりと抜け出して木の上に登っていきました。暗闇に紛れてすぐに姿が見えなくなりました。

その後、他の同居人が出てこないかと待ってましたがどうやらこの穴に住んでいるのはこの一匹だけのようです。
もともと一匹だけだったのか、冬の共同生活を終えて子育てするメスに追い出されたのか気になります。
ただ札幌のエゾモモンガの交尾期は2月下旬から3月上旬であり、唯一昼間にモモンガが見られるチャンスは過ぎてしまったわけなので、来年の冬までここに残っていることを期待しつつのんびり待つことになりそうです。