GW日高・十勝の旅 -ナキウサギ編 -

旅行2日目、早朝宿を出発した我々が向かう先は豊似湖
ここには低い標高の場所では珍しくナキウサギが生息しており、運が良ければ見られるらしいので駄目元で行ってみることにしたのだ。

豊似湖は黄金道路の途中えりも町目黒の辺りで林道に入って10kmほど進んだところにある小さな湖。周囲は西岡の水源池よりもずっと小さい。

しかし湖の岸は散策道などは整備されておらず岩やら枯れ木でデコボコしており、油断すると滑って転びそうになるので歩くのはなかなか大変だ。

とりあえず湖を周回しようと足場の悪さを気にしながら歩いていると、大きな岩がごろごろしている斜面が見えてくる。何となくナキウサギがいそうな雰囲気がする。
地面の上にはパチンコ玉ほどの大きさの糞がたくさん落ちていた。どうやらここで間違いないようだ。

この場所で待ち始めて5分くらい経っただろうか。突然「ピキッピキッ!」という甲高い鋭い鳴き声が辺り一面に響き渡る。
事前に動画で予習しておいたナキウサギの鳴き声と同じ声だ。
鳴き声のした方を向くとお目当てのナキウサギが岩の上で休んでいるところを発見。
予想に反して意外とあっけなく出会ってしまった。


大きさはシマリス程度かと思っていたが、シマリスよりも大きくエゾリスより小さいくらいだ。
最初に見つけたナキウサギはすぐに穴に隠れてしまったが、その後2、30分くらい待つと別の方向からも鳴き声が聞こえてきた。
この日は盛況だったのか2時間程度の滞在で鳴き声を5度ほど耳にし、実際に見かけた個体も3,4匹はいたと思う。2匹同時に現れたこともあった。
そのうちの1匹が食事中らしく草や苔を食べながら岩場を移動していたので、そっと後をついていくことにした。

警戒心は強いと聞いていたが実際は大きな音を立てたり急に動いたりしなければ4,5mくらいの距離まで近づいても逃げない。ポイントは太極拳の動きだ。
驚かさないように注意すればじっくり観察も可能だ。

かくしてさほど労せず出会えてしまったのだが、実際は他のHPやブログなどを見る限り生息数も少なく会える可能性は低いとのこと
自分が運良く出会えたのもきっと時期や時間帯、天候など観察に適した条件だったのかもしれない。