モバスコを衝動買い

カメラを持って森や公園を歩いているとやはり野鳥の存在が気になってしまいついカメラを向けてしまうものだが、自分が持っている250mmの望遠レンズではちっぽけな姿を納めるのが関の山で余程運に恵まれない限りは満足の行く大きさ・ピントで撮れたことがなかった。

野鳥撮影というと一旦その世界に入ってしまうととんでもない出費と重装備を強いられてしまうのではないかとこれまで敬遠していたのだが、それでも目の前に飛んでいる野鳥を見続けていくうちにそれをもう少しだけ綺麗に撮りたいという欲求に駆られるようになり、モバスコなら安いし軽いしいいんじゃないと思い始めとうとう手を出してしまった。


買ったのはモバスコのエントリーモデルとして定番のビクセンのジオマII ED52-S

これに接眼レンズGL15と一眼レフに装着するためのカメラアダプタGとTリングをつけて、しめて35,210円。野鳥撮影にしてはずいぶん安上がりだ。

ただやっぱり安いのには理由があり、購入前に自分のα65に装着して散々店内で試用させてもらったが色々と不満な点があった。

まず第一に最短距離が長い。カタログスペックだと目視で約4.2m程度になっているが、これって実際に体験してみるとかなり遠い印象。野鳥以外にもリス撮影にも使えないかと考えていたが、リスの場合は突如目の前に現われることがあり、そんな時は通常の望遠レンズではシャッターチャンスであったのだが、モバスコの場合逆に使えなくなってしまう。しかも後で分かったのだが、一眼レフに付けるとさらに8mも至近距離が延びてしまうらしいのだ。これが本当なら12.2m以上離れないとボケボケになる?
店内で試した時は遠くばかり撮影してたので気づかなかったがそうなるとかなり辛い。

2つ目はピント合わせが辛い。
マニュアルフォーカスになるのは仕方ないと割り切っていたが、カメラレンズみたいに軽く回してピタっと合わせるみたいな感じでなく、合焦ツマミを何度も回さないと駄目でしかも結構力を入れなければ廻らない。フォーカス合わせはある程度距離を予測して最初から近い位置に合わせておかないとあちこち枝を移動する野鳥には辛いと思われる。

3つ目はかなり暗い。
これが一番の不満点で、森の中で撮影する時にいかにシャッタースピードを稼げるのかが心配だったのだが、明るい店内でもISO1600まで感度を上げても1/60秒とかぐらいでちょっと暗めの場所にレンズを向けると1/3秒とかまで落ちてしまう。
店員の話だと森の中や曇りの天気だと、これよりさらに暗いでしょうとのこと。かなり絶望的だ。
実際店内を撮影してみても余程しっかり構えないとブレブレになってしまった。

森を歩きながら被写体を見つけたときは一脚で固定してあとは手振れ補正で何とかならないかなと期待したが、このスタイルはハナから無理かもしれない。そもそもモバスコで三脚を使わないという時点でかなり無茶だし。


とまあ、かなりネガティブな評価を下してしまったものの結局物欲に負けて買ってしまったわけで、そうなると折角買ったモバスコを活かせる撮影方法を探さなければならない。

明日はこれを持って実際に野外で使ってみようと思う。