円山のヒエラルキー

前回に引き続き給餌ネタ。

動物園ルートの途中にある大木の下も給餌場になっている場所があってそこでの出来事

この日も誰かがヒマワリの種をばら撒いていたようでそれをシマリスがいち早く見つける。

「先にいただきー」











たくさんの餌を頬一杯に詰め込んでご満悦なシマリスだったが、その様子を木の上から見ていたエゾリスがやってくる。

「どけどけどけー」









「お前のものは俺のもの。俺のものは俺のもの」とばかりにジャイアニズムを発揮するエゾリス









かくしてシマリスを追い払ってまんまと餌をせしめてしまったのだが、そんなエゾリスも遠くから「カーカー」と鳴声が聞こえると忙しなく動かしていた手と口を休めぴたりと動きを止める。
「この声はカラスさん!?」










しばらくの間、周りを注意するように固まったまま動かなくなったエゾリス。長い沈黙の後、再び餌を口にすることは無くその場を離れてしまった。

エゾリスが去った後、食べ残しに小鳥が次々と集まってくる。

小鳥だけでなくネズミもご相伴にあずかる
「いただきマウス」










エゾリス去りし給餌場はあたかもか弱き小動物たちの楽園のような様相を呈していたが、その幸せも長くは続かない。

ここで先ほどの声の主が登場










先ほどまで集まってた小鳥やネズミは蜘蛛の子を散らすようにいなくなりカラスが悠々と餌を独占。









諦めきれないネズミが何とか近づこうと試みるも










グアーッと威嚇するカラス










さらにもう一羽カラスがやってくる
「ヒャッハー!食いモンだー!!」









このまま餌はすべてカラスに食べられてしまうのかと観察を続けていたところ、事態は急展開を見せる。餌を持ったおじさんがとことこやってきたと思ったらシッシッと追い払ってしまったのだ。
これにはさすがのカラスも退散するしかない。

それから程なくして邪魔者がすべていなくなったのをいいことに先ほどのシマリスが帰ってきた。
「やっと食べられるー」









「くそー人間さんには適わねえよ」
と名残惜しそうに餌を見つめるカラス









円山に住む動物たちのちょっとしたドラマを見た思いがした。